一般社団法人ボランティアステーションin気仙沼 ☎ 080-2831-01338:00〜16:00(火曜定休)

事業概要

東日本大震災から3年が過ぎ、被災各市町村では仮設住宅への入居がほぼ完了し住宅再建等による仮設住宅からの退去等が始まる住宅移行期に入りました。ここ気仙沼市では仮設住宅への入居は世帯・個人単位の抽選により決定し、既存のコミュニティは断絶。入居者の殆どが新たなコミュニティや人間関係を築く必要性に迫られました。また、経済的に余裕のある方から仮設住宅を退去していき、弱者と言われる独居の高齢者の方等が仮設住宅に取り残されているという現状があります。当ボランティアステーションin気仙沼は隣接する商業施設「さかなの駅」の協力で平成23年12月10日に立ち上げ、翌平成24年5月16日に一般社団法人の認可を受け、上記の問題に対し、地元住民が中心となってそこで生きる人たちの手による「ふるさとづくり」をより活性化することを目指し、仮設住宅での自治会組織づくり支援、自治会連絡会(交流会)の立ち上げ支援、仮設住宅の見守り支援やサロン活動、花(植え)プロジェクト、企業とタイアップした仮設住民対象の温泉旅行等に取り組んでまいりました。

今後のビジョンに、「地元ボランティアによる見守りや心のケアができる組織と体制づくり」と「長期的には仮設住民の新しいコミュニティ形成をサポートする地元被災者による地元被災者のための団体を目指す」を掲げ、気仙沼地区で復興支援活動を続けるNPO事業者、地域組織が情報交換・意見交換ができるネットワークづくりを進め、行政担当者や外部支援者を呼び、支援者や被災者で意見や考えを共有し、信頼関係を構築しながら参加者を増やす「渦巻型」のネットワークを構築する、外部からの支援者の情報拠点となり、地域や団体とのマッチングを行う、復興ニュースの発行等を行っています。

ボランティアステーションin気仙沼

ボランティアステーションin気仙沼

 

支え合う事業

地元の人たち自らが考え復興にむけての行動を促す
【支えあう事業】

被災地をただ復興するだけではなく、被災以前の「故郷」気仙沼以上の発展を目指し、誰もが安心して生活するためのヒトとヒトが支えあう関係づくりを支援します。

仮設代表者交流会

当団体は、旧気仙沼地区・旧唐桑地区の仮設住宅代表者を集めた仮設代表者交流会を月1回のペースで行っています。仮設代表者の方が仮設住宅における情報等の共有を行い、課題点等の解決策を皆で考え解決する方向へ導く事を目標としております。これは全て行政や外部ボランティアに頼るのではなく、自立を促し、自らが考え行動することにより自発的な復興へ促すという効果がありました。この仮設代表者交流会をきっかけに、各仮設代表者の方が他の仮設で行っている効果的だと思われる催し物等(子供夏祭りや挨拶運動、ゴミ出し看板製作)を共有し、持ち帰り自らの仮設住宅でも取り組む等の動きもみられています。

仮設代表者交流会

仮設代表者交流会

 

情報共有化事業

素敵な故郷「気仙沼」を内外へ発信する
【情報共有化事業】

「気仙沼」復興のプロセスを収集、蓄積し地元のPRと共に内外へ発信し、地域の活性化を図ります。

ボラステ通信の発行

気仙沼市の「有限会社 藤田新聞店」様協力の元、当団体の活動の周知。または復興に関する情報の掲示や地元ボランティア募集を目的とした『ボラステ通信』を、気仙沼市内全域、南三陸町の一部、岩手県一関市の一部、市内の仮設住宅を中心に6,500部を月2回発行しております。※2014年5月現在で39号の発行

ボラステ通信の発行

ボラステ通信の発行

ボラステ通信の発行

ボラステ通信の発行

 

ボランティア育成・防災教育

被災の経験を活かし次世代へつなぐ
【ボランティア育成・防災教育】

被災地のニーズを集め外部からのボランティアをマッチングボランティアとの関わりを通じ、被災地の問題、未来をみつめることができるような次世代のボランティアの育成を行います。

気仙沼復興まちづくりすごろく

復興まちづくりすごろくとは阪神大震災時に神戸大学の学生が作成し【被災地の現状や良いところ・思い出】などをまとめて、それからマスを約30~40個で作り、震災前(過去) ⇒ 震災後(現在) ⇒ 未来 と時系列で並べ、まちの復興のプロセスや防災について考え、手作りし、完成したすごろくを使い、被災地の復興や自身の生活再建、地域の街づくりについて楽しく遊びながら学べるツールで、気仙沼市内でも、自分達が住んでいる地元を知り、防災やまちづくりに興味を持ってもらう為に作成しており、地元を中心に活動している団体や、一般市民の方が中心となって一緒に気仙沼復興まちづくりすごろく作りを行いました。また2014年10月からは、地元の気仙沼市立条南中学校において、総合的学習「共生」の時間で、自分たちに何ができるかを考えてもらうために、「気仙沼復興まちづくりすごろく」の作成ワークショップを行っております。

気仙沼復興まちづくりすごろく

気仙沼復興まちづくりすごろく

 

地元ボランティア育成

ボランティアステーションでは、上記のボランティア受入と並行して、地元ボランティアの育成を行っており、50名の地元ボランティア(2014年10月時点)が登録し、「菜園プロジェクト」や「仮設住宅代表者交流会」等のお手伝いをして頂いております。また地元の小学校や老人会、サークル等でもボランティアとは何か等、地元で地元を支える為にはという部分を中心にボランティア育成として授業やお話をさせて頂いております。今後、気仙沼が外部の団体や支援が無くなっていく中で「被災地」と呼ばれないようにするには、地元が地元を支える事が必須であり、「みんなが支え合い、つながり合い、発信しあう新しい気仙沼のまちづくりに貢献します」という当団体のスローガンの元に活動を継続して行っております。

地元ボランティア育成

地元ボランティア育成

 

震災の記憶 語り部と防災教育

気仙沼の現状を知ってもらう。そして同じような悲劇を起こさず、自助・共助を促し少しでも防災について考えてもらうきっかけづくりとして震災当時の様子と復興の状況、防災の必要性を含めた語り部を行っております。各大学関係者や外国高官の方、気仙沼に来ていただいたボランティアさんや中高生等を対象に行い、震災の風化を防ぎ、災害に強いまちづくりの重要性を説明しています。

『震度1でも安全な場所に避難する意識』『日頃の備えと正しい知識』この二つをテーマに気仙沼市内で、のべ2000人。静岡県や神奈川県等の県外のべ500人の方に語り部を行いました。(2014年8月時点)
また、市内の方向けには、防災の必要性とコミュニティの重要性を合わせた防災教育勉強会も随時実施しております。

震災の記憶 語り部と防災教育

震災の記憶 語り部と防災教育

 

復興つなぎ事業

被災地の復興へつなげる【復興つなぎ事業】

地域や個々の様々な復興手段やビジョンへの道筋を示し新たな故郷「気仙沼」へ向けての動きをサポートします。

ワークショップの開催

現在まで、被災ローン減免制度の勉強会・仮設住宅における結露に対する勉強会・住宅機器展示会視察、復興まちづくり勉強会等、住民の方に必要と思われるが伝達不十分と思われる情報に関連するワークショップや、被災地復興の為のまちづくりや防災についてのワークショップを積極的に開催してまいりました。また、内部的にも基盤の強化として、スタッフ向けのワークショップを行いました。上記ワークショップは、何れも地元企業、メーカー、地元弁護士・連携団体の協力で参加費無料で行っております。また講師代も無料で協力して頂いております。

今後も、被災地気仙沼でのニーズを吸い上げ、被災地住民や外部ボランティア等が必要としている情報を的確に伝えつつ、自らが考え自立し復興に携われるような意識改革を促すワークショップや勉強会を開催しております。

ワークショップの開催

ワークショップの開催

 

楽しさを分かちあう事業

被災状況に関わらず地域全体で盛り上がる
【楽しさを分かちあう事業】

被災地のコミュニティー作りの基礎を築き、孤立・孤独化を防止するため、またストレスを軽減し、新たな生き甲斐を見つける癒しの場を提供します。

菜園プロジェクト

仮設住宅間や既存の自治会と情報共有などを自発的に行い、協同作業をすることによっての連帯感や新しい人間関係の構築、新たな生き甲斐をみつける場を提供しております。具体的には被災地気仙沼の40カ所の仮設住宅、1カ所の被災地区、1カ所の仮設商店街で、仮設住宅住民、既存自治会、仮設商店街店主と協同で花植えを行う「菜園プロジェクト」を行いました。当団体の「菜園プロジェクト」は単発的で終わらせるのではなく、継続的に行う事で、仮設住宅や被災地区、仮設商店街への見守りも兼ねており、その場で吸い上げた仮設住宅や被災地区等の問題点、行政への要望等を整理し関係機関に報告、改善を促しました。

また仮設住宅での活動に関しては、その主催を当団体スタッフが意図的に住民に任せることで自主的活動が活性化するよう努めております。そのような中、ボランティア団体等の支援を受け続けることではなく、自治会独自での花植えやサロン活動を開催したいので当団体から指導を受けたいとの要請や育った花の様子を見に来てほしい等の仮設住宅側からの自主的なアプローチを受けるまでになりました。これは形となって成果の現れる事の少ない活動ではあるが、住民の自主性や自立性を感じられる機会があることは、スタッフが活動意義を実感でき、地元に対しての郷土愛や活動意欲の向上となっております。

菜園プロジェクト

菜園プロジェクト

 

コミュニケーション麻雀

震災から3年が経過した仮設住宅では、お茶会等のサロン的な活動が活発に行われているが、参加者の固定化や、高齢者や男性の参加者が少ないという問題が出てきています。特に神戸や中越等の県外被災地の事例からイベント等に参加しない男性の孤立は、アルコール依存症や最悪の場合孤独死するといった事例が多く見られます。当団体では、従来のお茶会やイベントではなく、気仙沼市内の仮設住宅全箇所の見守り活動を唯一行っている一般社団法人気仙沼復興協会と連携し、『コミュニケーション麻雀』という誰もが楽しめるツールを使い、コミュニティサロンを週1回のペースで行っております。『コミュニケーション麻雀』とは「飲まない・吸わない・賭けない」をモットーに、ゲーム感覚の新しい「麻雀」で、従来のギャンブル性を排除するため、牌を積み木サイズの大型にし、二人一組で相談しながら、1m80cm四方の卓を囲み、ゲーム感覚で愉しみ、男性ばかりではなく女性や子供も気軽に参加できて「コミュニケーション」が図れ、また麻雀のルールで脳を活性化します。程よいタワシサイズの牌(238グラム)で体を動かせる「コミュニケーション」ツールとなっており、75回のべ358人の方が参加し楽しみました。(2014年10月時点)

コミュニケーション麻雀

コミュニケーション麻雀

 

イベント運営企画事業

用途に合わせた様々なイベントの運営と企画を行う
【イベント運営企画事業】

地域住民主催のイベントの運営サポートや企画協力、また外部からのイベントのサポートを行い、地域の活性化とより住みやすい安心・安全なまちづくりに貢献します。

外部ボランティアの受入

ボランティアステーションでは、住民の方のコミュニティ形成や、主体的な活動を促す。又は主体性を阻害しない活動のみ、ボランティアを受け入れています。震災初期に多かった物資の配布や、ただイベントを行うだけのボランティアの受け入れを段階的に断り、住民の方と一緒に考え楽しめるもののみ受け入れ、地元で地元の支え合いをテーマに活動を行っております。

震災から時間の経過と共に外部団体が減っていく中でも、外部の団体が居なくなっても自立できる土台を作りながら、ボランティアとして来て頂く方々に感謝しつつも、必要と思われるものと現状として必要ではないものを区別して受け入れています。これは、当団体スタッフ自身も被災している中で、「やってもらって当然」と思わせるような雰囲気ではなく、「一緒に地元を考える」という部分を強調し活動への理解を深めております。

外部ボランティアの受入

外部ボランティアの受入